医者は高収入であるのは間違いありません。研修医期間の2年間が終わると、医者の平均的な年収は1,000万円に至ります。医者3年目から、年収が1,000万円以上となるため、どの医者も多少は浮かれます。しかし、医者も5年目にさしかかるとわかってくる”事実”があります。
医者5年目になるとわかる事実
・税金、保険料がバカ高い。
医者（勤務医）も、サラリーマンと一緒で、所得税、社会保険料を引かれた給与が支給されます。月の総支給額が100万円を超えてくると、上記のものが20万円以上引かれてたりします。また、バイトをしていれば、年末の確定申告にて、追加で税金を納めることもあります。特に、医者３年目は、研修医から医者の給与になるので、年末の確定申告の際に、相当多くの税金を追加で支払います。
医者3年目、4年目くらいまでは、医者の給与の高さを嬉しく思います。一方で、医者５年目くらいになると、税金や社会保険料の支払いが高いことがよくわかるようになります。
・年収1,000万円でも、手取りは多くはない。
「年収1,000万円あれば、さぞかし贅沢ができる！」って思われます。たしかに、裕福な暮らしは多少はできます。しかし、思いの外自分の自由にできるお金は少ないものです。まず、年収1,000万円に至ると、所得税率が高くなります。社会保険料も引かれて、実際の手取りは750万円程度になります。また、子供がいれば、年収1000万円を稼ぐと、児童手当の減給や高校学費無償化の対象外にもなります。社会保障の対象から外れる場面をむしろ多く感じるようになります。
・自分で自由にできるお金は少ない。
独身であれば、自由に使えるお金は多くあります。一方で、結婚したり子供ができて家庭ができれば、収入は家族を養うものになるので、自分のお金ではなくなります。子供を保育園や幼稚園に通わせれば、所得に応じて支払いが多くなるケースもあります。
また、医者家庭の多くは、養育費に力を入れます。幼児から、インターナショナルスクールに通わせる家庭もあります。また、高額な教材の購入もする家庭があります。幼児教育から、年間数十万円〜100万円近い教育費を払う家庭もあります。さらに、私学の中学高校に通わせれば、教育費は高くなります。そして、私学の医学部に進学するとなると、6年間で数千万円の学費が必要となります。
上記の出費を計画的に貯めていくためには、医者の給与とは言え、しっかりと節約が必要となります。
・医者は出費が多い。
医者は周囲からも、お金持ちと思われます。そのため、機会がある毎に比較的多めに出費を求められます。病院に勤めていると、職場の飲み会が多くあります。新人歓迎会、納涼会、忘年会と数ヶ月に一回の頻度で宴会があります。これらの宴会の参加費ですが、医師は他職種に比較して多めに宴会費を払います。一般的な医者の参加費の目安は、1万円です。さらに、2次会、3次会と参加すれば、支払いはほぼすべて医師になります。一晩で、3万円〜5万円払う医者もいます。
医者で特に専門医を維持するには、お金がかかります。医者は、それぞれの専攻科の学会に所属します。どの学会も数万円の年会費がかかります。さらには、学会の参加費も1回当たり1万円以上する場合が多いです。専門医取得自体にも10万円近い受験料と認定料を支払います。さらに、認定医維持のために、定期的に専門学会に参加をしていかなくてはいけません。そのため、専門医を維持するのにも数万円かかります。また、専攻科の総会だけではなく、より専門的な学会はいくつもあります。それぞれが、１万円〜２万円程度の年会費と別途数万円の学会参加費を必要とします。
・医者は体力が必要なので、いつまでも激しくは働けない。
ストレートで医者になると、20代後半で医師になります。20代の頃は、当直もほぼ一睡もせずに翌日の業務をこなしても、体力がついてきます。しかし、医者5年目くらいに差し掛かると、どの医師も30代以上になります。まだ、30代前半は体に無理がききますが、少しずつ20代ほどの体力が無いことを自覚しはじめます。
医者のアルバイトの単価は高額です。半日の外来バイトで、3万円〜5万円程度の収益になります。病院によっては、それ以上の給与を出すところもあります。また、当直バイトは夜間の仕事のため、バイト単価が高くなります。当直バイトは、外来バイトのように多くの患者さんの診察をするわけではないので、費用対効果が高いと考える医師もいます。若手医師の中には、収入アップを考えて、日々の常勤勤務に加えて、当直アルバイトをかけ合わせる者もいます。しかし、そういった体を酷使する働き方は、30代になってくると難しくなります。
医者5年目になると、先述の税金や保険料が高い事実が実感できるようになります。そのため、無理に勤務やアルバイトを詰め込んで仕事量を増やさないようになります。
