整形外科講座

撓骨遠位端骨折 FCRアプローチ 簡単解説!

FCRとは、橈側手根屈筋(flexor carpi radialis muscle)のことです。

橈骨遠位端骨折の手術は、このFCRからアプローチします。

FCRとPLを確認する。

私の手をつかって確認してみましょう。

👇の、緑色がFCRで黄色が長掌筋腱(PL:Palmer’s longus tendon)です。

PLから間違ってアプローチすると、深部に正中神経がでてくるので注意です。PLは、母指ー小指をつまむ動作をすると強調されてわかりやすくなります。

FCRは、第2,3中手骨基部に停止するため、手関節背屈で強調されます。

FCR直上に5cmの切開を加えましょう。

FPLをよける。

FCRを尺側によけることで、正中神経をまもることができます。さらに、深部に長母指屈筋腱(FPL:Flexor pollicus longus)をみつけましょう。

緑色のラインがFLPです。

FCRを介して、FPLをよけて深部にいたるアプローチをFCRアプローチといいます。

下図を参考にしてみましょう。

(引用:上肢 (新 執刀医のためのサージカルテクニック))

PQとIFZの処理方法は?

方形回内筋(PQ:Pronator quadratus)と中間線維帯(IFZ:intermediate fibrous zone)を処理して橈骨を露出させます。

①PQを橈骨付着近くで切離する。

②PQとIFZの境界を切離する。

③IFZの展開が不十分なら、正中を切開して観音開きにする。

(引用:上肢 (新 執刀医のためのサージカルテクニック))

なお、こちらの教科書を参考にしています。

○上肢 (新 執刀医のためのサージカルテクニック)

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医師YouTuberいっさ
地方国立大学医学部卒、医師。 整形外科専門医、医学博士。 You Tubeでは、医者のかたわら、 動画配信700本以上を達成。 既に2,000人以上の登録者がある。 "医者のキャリア形成"を中心に、 医療にまつわる話を配信している。