FCRとは、橈側手根屈筋(flexor carpi radialis muscle)のことです。
橈骨遠位端骨折の手術は、このFCRからアプローチします。
FCRとPLを確認する。
私の手をつかって確認してみましょう。
👇の、緑色がFCRで黄色が長掌筋腱(PL:Palmer’s longus tendon)です。
PLから間違ってアプローチすると、深部に正中神経がでてくるので注意です。PLは、母指ー小指をつまむ動作をすると強調されてわかりやすくなります。
FCRは、第2,3中手骨基部に停止するため、手関節背屈で強調されます。
FCR直上に5cmの切開を加えましょう。
FPLをよける。
FCRを尺側によけることで、正中神経をまもることができます。さらに、深部に長母指屈筋腱(FPL:Flexor pollicus longus)をみつけましょう。
緑色のラインがFLPです。
FCRを介して、FPLをよけて深部にいたるアプローチをFCRアプローチといいます。
下図を参考にしてみましょう。
PQとIFZの処理方法は?
方形回内筋(PQ:Pronator quadratus)と中間線維帯(IFZ:intermediate fibrous zone)を処理して橈骨を露出させます。
①PQを橈骨付着近くで切離する。
②PQとIFZの境界を切離する。
③IFZの展開が不十分なら、正中を切開して観音開きにする。
なお、こちらの教科書を参考にしています。
○上肢 (新 執刀医のためのサージカルテクニック)