(本ページはアフィリエイトリンクを利用しています)
今回は、整形外科医になるうえで欠かせない教科書をご紹介していきます!
特に、4月から整形外科医として、第一歩を踏み出す先生方は必見ですね。
医学生6年間や研修医2年間では、実のところ整形外科についてしっかりは習いません。また整形外科研修を多くしても、整形外科の外来診療は特殊なので、あまり習得できません。
なので、研修医のうちに必要とした教科書では、整形外科診療にはたちうちできません。よって、整形外科医になったら、新しく教科書を購入する必要がでてきます。
ただ、整形外科の教科書といってもたくさんあってどれを選べばよいかわからないですよね😅
なので、ぜひ、今回の内容を参考にしてみてください。
① キャンベル(Campbell’s Operative Orthopaedics)
キャンベルは、整形外科医として外せない教科書です。
よく、先輩(だいぶ上の先生から)「予習してきたか!?」と聞かれたら、、
「キャンベル読んできました!」といえば完璧です(笑)
英語で難しいと思うかもしれませんが、手術手技書なのでイラストが多くあり、英語読めなくてもだいたいのことはわかります。
下記は、ベネット骨折の手術のイラストです。母指を牽引しながら、K-wireを刺入しています。キンドルは分厚い教科書ですが、その多くはイラストばかりなので、直感的に理解できます。
また、手術手技過程がしっかりと書かれています。
アプローチから手術の経過方法、さらには後療法に至るまで記載されています。このままオペ記事(レコ)の参考にできます。
アプローチから手術の経過方法、さらには、後療法に至るまで、しっかりと記載されています。
このまま、手術記載にできるほど、手術の教科書といえるでしょう!
さらに、よく、
「術後の後療法どうしますか、、?」
って相談しずらかったりしますよね。
これを、
「キャンベルには、6週間の非荷重の指示がありますが、いかがでしょうか?」
なんて言えれば、一瞬でできレジですね!
② 整形外科医のための手術解剖学図説
手術のアプローチといえば、この教科書です。
大腿骨頸部骨折の人工骨頭や橈骨遠位端骨折のORIFなど、整形外科になったばかりの先生もガンガン手術をするアプローチ方法が詳細にのっています。
たとえば、下記は人工骨頭のアプローチの図解です。坐骨神経の走行、梨状筋や短外旋筋群の解剖や位置がよくわかります。
アプローチで血管神経の損傷を起こすリスクが高いので、この教科書でよく予習をしましょう!
③ 標準外科学 / 今日の整形外科治療指針
実は整形外科医になって、まず一番困るのが一般外来です。
初期研修2年間では、一般内科の治療や救急対応を主に学習します。
しかし、整形外科1年目からすぐに整形外科の一般外来をみることになります。
すると、全く研修医の知識が生きません。
そのため、整形外科の外来用に教科書が必要になります。その時に、標準外科学か今日の整形外科治療指針のどちらかの教科書があると良いでしょう!
ちなみに、私は両方購入しました。
標準整形外科は、部位や疾患ごとに病態がまとまっています。
また、今日の整形外科治療指針のほうが、疾患ごとに治療方針まで詳細に記載されているので、重宝します。
今日の整形外科治療指針のほうが、より実践的な内容が多いかなと思います!
④ 骨・関節X線写真の撮りかたと見かた
整形外科のレントゲン撮影方法は、習うことはありません。
しかし、救急外来から夜間の当直バイトなど、自分でレントゲンを撮る機会が多くなります。
こちらでは、基本的な撮影方法を解説しています。
たとえば、手の撮影方法です。
さらには、撮影だけではなく、整形外科医としての評価方法についても、しっかり解説していますよ😊!
舟状骨の評価方法です。
こちらは、舟状骨の骨折形態の評価です。
整形外科医となったら、自分でレントゲン撮影をすることも多くなります。わたしも、この教科書を参考にしながらレントゲン撮影方法を学びました。
⑤ 図解四肢と脊椎の診かた
四肢の診察法の古典的名著ですね!
整形外科の診察方法はとても特殊です。そのため、一般的な身体診察の教科書では対応できません。
ちなみに、整形外科医ならばこちらの無料の「コンパクトガイド 整形外科検査法」で勉強しませんか?先輩からもらったりすることも多いでしょう。
こちらの教科書は簡便でよくまとまっています。さらには、ポケットにも携帯しやすくて便利ですね!しかしながら、しっかりと身体診察を学ぶには不十分です。
「図解 四肢と脊椎の診かた」では、下記のように解剖を意識して診察する方法を解説してくれます。
膝関節ならば、大腿骨内顆が痛いのか、半月板が痛いのか、膝蓋腱やPF関節が痛いのかなど。正確にどの部位に疼痛があるのかを診察する方法が記載されています。
⑥ 小児四肢骨折治療の実際
小児の骨折教科書の決定版!といえば、こちらの教科書です。
小児の子の骨折や外傷って、緊急性が高いので緊張しますよね😅
骨折のストラテジーも成人とは全く違います。
小児の骨折については、こちらの教科書にて網羅的に解説されています。一冊あれば、評価や対処療法についてすぐに確認ができます。
たとえば、上腕骨顆上骨折について、このように解説されています。
病態から、整復方法、手術療法、さらには後療法に至るまで、しっかりと解説があります😃
⑦ AO法骨折治療
骨折の教科書といえばこちらの教科書が有名です。AO法に基づく、骨折分類から実際の治療戦略について、詳細にまとめられています。
たとえば、AOではこちらのように骨折型を分類しています。
さらに、骨折手術は術前計画が何より大切!下記は実際にわたしが計画した術前計画の一例です。
⑧ 新 執刀医のためのサージカルテクニック
整形外科の手術の教科書として、これらの教科書はとてもおすすめです。先述のキャンベルでもよいですが、どうしても格式が高くて、さっとは読むことはむずかしいですよね。そういったときに、「サージカルテクニック」はとても重宝します!
サージカルテクニックは、分野ごとに定期雑誌として出版されています。こちらの教科書は、そんなサージカルテクニックの総集編となる教科書です。
とくに、4年目〜6年目くらいまでは、四肢外傷一般手術をもりもり行います。
撓骨遠位端骨折や大腿骨頸部骨折、前腕骨折や膝蓋骨骨折などなど。手術手技を丁寧に教えてくれますよ!
少し内容をみてみましょう。
○撓骨遠位端骨折のアプローチ
撓骨遠位端骨折で切開処理に戸惑う方形回内筋(PQ)と中間線維帯(IFZ)についてわかりやすく解説しています。
○上腕Nailの刺入ポイントの考察
上腕骨頭のNailを刺入する場所は、この手術の”肝(きも)”です。こちらの図をみると、しっかりと骨頭近くをとらえないと固定性が得られないことがわかります。
○マレット指に対する石黒法
マレット指の手術は細かくて、助手にはいっているだけではどこかポイントなのかよくわかりません。こちらの図がとても参考になりました。
○大腿骨転子部骨折のガイドピン刺入
大腿骨転子部骨折は最初のガイドピンの刺入ポイントが最も大切です。AP viewで骨軸の6-7mm外側でTrue lateral viewで前後に6:4のところを目安に刺入をすることがわかります。
⑨ 神中整形外科学
日本の整形外科教科書の名著です。上下巻があり、合わせると相当厚い書籍になります。
こちらは、辞書的に使用するとよいでしょう。病気の病態のみならず、整形外科であつかう道具についても、深い洞察で説明されています。
上記は人工股関節の金属についての説明の一部です。日頃、整形外科手術ではチタン合金のインプラントを多くつかいます。そのチタン合金について詳しく解説されています。
⑩ ネッター(Netter)
解剖実習で大活躍しますが、あらためて整形外科医になると重宝します。学生中の解剖実習でボロボロにして捨ててしまった人は、買いなおしても損はありません。
上記は前腕と下腿の筋肉、血管、神経の走行の図です。今でも手術のするときは、毎回ネッターで解剖を確認をしています。
○まとめ
整形外科 オススメ教科書
①キャンベル
②整形外科医のための手術解剖学図説
③標準外科学/今日の整形外科治療指針
④図解四肢と脊椎の診かた
⑤骨・関節X線写真の撮りかたと見かた
⑥小児四肢骨折治療の実際
⑦AO法骨折治療
⑧新 執刀医のためのサージカルテクニック
⑨神中整形外科学
⑩ネッター
ぜひ参考にしてみてください😊