医者は、学歴と年収には相関はない。

医学部を受験する時、勉学優秀ならば、旧帝大医学部を目指します。
医学部を目指す、合格するだけでも、一目置かれる存在です。しかし、旧帝大医学部に入学する人は別格に注目を集めます。

ただ、何が旧帝大の医学部に進学するとよいのでしょうか。
確かに、旧帝大卒の医者は周りから羨望をうけるかもしれません。

しかし、もしあなたが将来の年収が高くなることを求めて学歴を求めるならば
注意してください。

なぜならば、医者の学歴と年収はけして相関しないからです。

こちらでは、医者の学歴と年収には相関しないことを解説していきます。むしろ、学歴が高いほど年収が下がる可能性すらあります。

今回の動画講義をご覧いただければ、きっと将来のあなたの収入をぐっとあげるアドバイスになるでしょう。

医者の働き方によって、医者の収入はほとんど決まる。

医者の年収・収入は、ほぼ100%、どの病院で勤務をするのか、どう働くかできまります。

・市中病院の常勤勤務医ならば、年収1,200万円〜2,500万円

医学部を卒業した90%ほどの学生は、どこかの市中病院の勤務医として働きます。

勤務医としてはたらくならば、その収入はほとんど全国一律です。

すなわち、これらの年収が目安となります。

・公立病院ならば、年収1,200万円〜1,500万円。

公立病院とは、公立〇〇病院、国立〇〇病院と言われる病院のことです。
赤十字病院も公立ではないですが、公立病院に準じるような病院です。

一般的に公立病院は、私立病院よりも年収が低くなります。
だいたい、一般常勤医師の年収は1,200万円程度です。公立病院の場合は、専攻科によって年収が違うことはまずないでしょう。

さらに、部長クラスになると年収1,500万円程度になります。なお部長職のポストに制限がある病院とない病院があります。公立病院の場合、年齢(医師経験年数)や資格(専門医の有無など)で部長職になったりします。

そして、公立病院の病院長となると、年収1,800万円までなります。
ただし、病院長となっても、公立病院の場合は2,000万円までなることは稀だと思います。

公立病院はたしかに、年収は私立病院よりも低いです。ただ、気の良い医者が多く集まりやすいのも公立病院。結局居心地のよさで、公立病院勤務をつづけている先生は多くいます。

・私立病院ならば、年収1,800万円〜2,500万円。

一般的に私立病院のほうが、医者の年収は高くなります。ただし、私立病院の医者の年収は、医者の需給バランスの影響を強くうけます。

つまりは、医者が少ない地域(田舎)の医者の給与は高くなり、医者が多い地域(都会)の医者の給与は低くなります。都会の私立病院の場合、時には公立病院よりも給与が安くなる可能性もあるので注意が必要です。

地方で私立病院の常勤医師となれば、年収1,800万円ほどになります。

さらに、
部長や病院長となれば年収2,000万円以上も得られます。

また、私立病院の場合、専攻科によって年収が違ってくる可能性があります。つまり、収益性の高い専攻科の医師は高収入で雇ってもらえます。良くも悪くも、経営重視の考えなのが、私立病院といえます。

整形外科医ならば、年収2,000万円で雇ってもらえる病院は多くあります。さらには、手術をする契約で2,500万円で雇ってもらえる契約もできます。

実際に、医師専門転職支援サービス「RSG DoctorAgent」のWeb面談を受けて、教えてもらいました。

○医師専門の転職支援サービス【RSG Doctor Agent】
\こちらから、無料申請をする/

>>こちらから、無料申請する!

○【無料で簡単!】医者転職相談、まだしていないの?

【前編】

【中編】

【後編】

研究医は、薄給です。

ご覧中の方の中には、将来研究医を目指す学生さんや医師・研修医の先生方もおられるでしょう。

しかしながら、研究医は薄給です。

これは、いままでも薄給でしたが、これからも薄給です。それこそ、日本の研究費はどんどんと削られてきています。諸外国と同じように、優秀な研究者は日本を飛び出して、米国に移住している状況です。

研究医となると、大学院生(博士課程)をへて、医学博士となる必要があります。その後、研究医としてキャリアをつんでいきます。

医学博士となった後は、ポスドク(Post Doctor)として、研究者として勤めることができます。ただ、給与としては、年収250−300万円程度です。

その後、大学病院であれば、助教や講師としてキャリアを積んでいきます。このときの大学からの給与は年収400−600万円程度です。

医師であれば、医者バイトで収入を増やすことは可能ですが、年収1,000万円程度で、それ以上は収入を伸ばすのは難しいでしょう。

晴れて、准教授や教授になったとします。大学教授となれば、年収1,000万円となります。

これに医者のアルバイトの収入を加味すれば、年収1,500万円程度にはなりますが、ただ常勤医として勤務をしているよりも薄給となるわけです。

ちなみに、いっさの父は研究医でした。東大理三出身で、臨床医を全くしない、根っからの研究医でした。母は勤務医(出産後はパート医師)でした。

両親ともに医者であれば、さぞかし裕福な印象をもたれますが、そんなこともありません。長女を私立医学部に進学させたので、我が家には貯金がほとんどなくなってしまいました。

学歴が高いと、学歴に固執しすぎてしまう。

高校生のころは、こんなことを考えたりしませんでしたか?

いっぱい勉強して良い大学にはいれば、その後の選択肢がふえる。

たしかに、医者も学歴が高い方(出身大学の偏差値が高い方)が、その後、役職のポストにはつきやすいです。

ただし、その役職と、あなたの給与の高さが相関しないのが、日本の医者の給与といえます。

たしかに、大学病院や有名病院の部長や病院長といったポストは、「名誉」があります。しかも、これらのポストは学閥(学歴)が重要なので、入学する大学が大切です。

しかしながら、それが収入の高さとはけして結びついてはいないことをしっておきましょう。

学歴が高くて有利なのは、教授になることぐらい。

学歴が高くて、本当に有利なのは教授になることくらいです。

なぜならば、大学教授を決める教授選のシステムに、その要因があります。

教授選にて教授を選択する選挙権があるのは、その大学の教授たちです。さらに、臨床と基礎の教授がそれぞれ1票をもっています。そのため、基礎の教授が多い大学が強力に学閥を形成しやすいわけです。

すなわち、ここで東京大学の影響がとても強くなります。なぜならば、教室の研究費の多くを得る科研費は、官僚たちが決めるためです。なので、官僚とコネクションが強い東大卒の医師はそれだけ科研費も取りやすい立場になります。よって、東大を卒業すると、学歴だけではなく、科研費(研究費)の得られやすさからも有利になります。

専門性が高いほど、収入は高くなる!わけではない、、

最後に、もう一つの勘違いをお話しましょう。
(いっさは、実際に勘違いしていました。)

それは、専門性が高いほど、医者の収入が高くなるわけではないということです。特に、この日本では、専門性の高さや能力の高さと収入は関係しません。

たとえば、、

とてもむずかしい手術ができる外科医がいます。一般外科であれば、膵頭十二指腸切除術(いわゆるPD)ができる(やる)医師は、他の外科医よりもスキルが高いし、仕事内容もタイトです。また、整形外科医であっても、骨盤の手術をする医師はごく少数ですが、手術スキル・内容ともにタイトです。

しかしながら、これらの外科医の収入は、けして他の医師とくらべて高くはありません。場合によっては、低い場合もあります。(「忙しさと収入には関連がない。」の動画にて解説しています。)

ただ、これは単純に不公平という問題ではありません。なぜならば、こういった大変な治療で得られる経済効果はけして高いわけではないからです。

一方で、専門性が高くない治療は、より多くの患者さんのニーズがあります。

たとえば、肺炎で入院治療をうける、尿路感染で抗生剤治療をうける、喘息で吸入薬を処方されるなど。整形外科であれば、大腿骨近位部骨折や撓骨遠位端骨折の治療は、この高齢日本社会では、津々浦々に需要があります。

実は、専門性を突き詰めるよりも、浅く広い治療のほうがより経済効率が高いことをしっておきましょう。なので、専門性をあげることばかりにとらわれないように注意するとよいと思います。