いっさは整形外科医です。日々、外科医として診療に手術を行っています。
そんな私から、外科医の魅力を3つお話したいと思います。
外科医の魅力 3選!
・手を動かして無心に臨めるところ
スポーツと一緒で、手を動かしていると、雑念がなくなります。
メンタルヘルス上もこれが大切だとおもいます。
・外来業務はとても疲れる。
まず、医者の外来業務は、なんだかんだストレスが多いです。患者さんから上手に病気の経過を聞き出します。さらには、思いついた病気から診断をするために、画像検査、血液検査を行います。そして、そこから診断したこを、患者さんに伝わるように説明をします。
話すこと自体が結構疲れます。どの科であっても、患者さんの多くはご老人が多い。耳が遠ければ、ゆっくりと大きく話さないといけません。さらには、内容もとても噛みくだいて伝える必要があります。一回で伝わらない内容もあるので、何回も話すこともあります。
・手術は自分の好きにできる。
一方で、手術は“しゃべらなくてよい”のが良いところです。手術は、執刀医のやりたいことをまわりが全面的にサポートしてくれます。ある外科医は、無言で手術を進めたければ、まわりも静かに手術をサポートしてくれます。一方で、コミュニケーションを楽しみながら手術をしたければ、会話をしつつ手術をサポートしてくれます。
・無心になって手術ができる。
無心になってできるのか手術の良いところです。外科医はスポーツマンが多いといわれますが、実際にスポーツに通じるところは多くあります。サッカーであれば、ボールに集中する、水泳であれば、一心不乱に前へ進む。手術はそんなスポーツ中の精神状態に近いものになります。
いっさの好きなスタイルは、「自分(執刀医)は無口に手術に集中しているけれど、まわりは会話をしていてほしい」というものです。
理由は2つあります。
まず一つ目は、まわりがにぎやかな方が集中ができるからです。勉強も、静かなところも良いですが、時には電車の中とか、カフェの中とか、そういった雑音が多いところでしたほうが気分転換になります。
2つ目は、会話をしていてもらったほうがまわりの集中度も保ちやすいことです。執刀医として、手を動かしていればどんどん集中できます。一方で、サポートする方は、無言で何もしていないと集中力が減ってきます。なので、他愛もない話でも、後輩への指導でもよいので、何かしていてもらったほうがよいと思います。
・手をつかって人を治す喜び
自分の手をつかって、人を治す。
これは、外科医ならではの喜びです。
・研修医のときに外科医になることを決めたキッカケ
研修医のときに、いっさが実感したことがあります。医者の仕事のうち、治療方針を決めたり、薬剤を決めたりする。これは実際、医者じゃなくても、決めることはできる。実際に、治療方針を一人で決定することは稀で、看護師や薬剤師に相談しながら、内服の追加などは決めることは多いです。
ただ、「人を切ったり縫ったりする。」。これは、医者にしか許されない行為です。だからこそ、頑張ってとった医師免許を十分に発揮するには、外科医が一番と思いました。
・職人的な喜びがある
外科医になってわかることは、経験を積むごとに手術がうまくなることを自覚できることです。1年前はできないと思っていた手術が、気付いたら一人でできるようになった。以前は気にすることができなかったポイントに注意を払える様になった。毎日些細なことで自分の成長を感じられます。
・頭をつかって、手をつかって、人を治す
外科医の仕事のイメージは、全身を使って患者さんを治すということです。手術外は、内科的な思考をして病状の原因を考えて治療をします。手術になれば、集中はしますが、手術の段取りを常に頭に考えながら行います。いろんな場面で、いろんな思考と行動をする、これが外科医です。
・なんだかんだでわかりやすい
・患者さんに伝えやすい
医療行為そのものは、かなり専門的なことです。医療職以外、なかなか伝わりにくい内容も多くあります。場合によっては、医者でも専門家以外はわからない内容も多いです。
そのなかでも、外科はわかりやすい分野だと思います。腫瘍があれば、それをとる。骨折があれば、それが治っていく。
画像で説明ができて、その説明を受ける患者さん、家族も理解がしやすいのが魅力です。
・患者さんに伝わるから感謝もされやすい
例えば、体のなかにがんが見つかったとしましょう。患者さんはとてつもない不安を感じるようになります。手術が終わり、「無事にちゃんと取れましたよ」と説明をします。すると、「本当にありがとうございます。不安がとれました。」とみな感謝をしてくれます。
こういった体験も、患者さんが病気を理解してくれないとできないものです。病状説明をしても、外科分野は伝わりやすさを感じます。